今世界中で深刻な問題となっているのが新型コロナウィルスによるパンデミックですが、人類はこれまでに様々な感染症に苦しんできた歴史があります。
その中でも一番世界中を恐怖に震え上がらせたのがスペイン風邪であり、日本でも数多くの死者を出すなど深刻な状態が続いていました。
新型コロナウイルスは、そんなスペイン風邪に匹敵すると言っても過言ではない存在なので
万が一発熱の症状が現れたり、周囲に感染した疑いのある方がいた場合には、直ぐに病院を訪れて感染しているかどうかを検査するようにしてください。
新型コロナウィルスは非常に感染力が強く、一度でも発症すると様々な後遺症を抱えることがあるため注意が必要です。もしも自分がかかってしまった場合には、家族と接触する機会を断つように意識していき、病床を確保できる病院で入院するしか方法はありません。
これから先、私たちは一体どのような感染対策を行えば良いのかを詳しく紹介していきたいと思います。
1 マスクを身に付ける
今現在、感染対策に有効であると認められている一般的な方法と言えば、マスクを着用することです。ただし、マスクをただ着けていれば効果が上がるというわけではありません。
そもそもマスクは風邪に罹っているまたは菌を保有している人が咳やくしゃみをする際に放出するウイルスを減少させるといった役割になります。患者の咳で10万個、くしゃみでは200万個の0.1~0.2μmのウイルスがでます。
さらにマスクの付け方を正しくをしていない人が非常に多く見受けられます。鼻やあごが出ているとマスクは上記の様な効果は発揮できません。またマスクの裏面だけでなく、表面にもウイルスが付いているので外すときには耳付近のゴムを掴んで外さなければいけません。特にマスクを外すような場面では扱いには注意が必要です。
2 外から帰ってきたら、手洗いうがい
手洗い・うがいについては感染症対策では一般的な方法になります。しかし、消費者庁の実態調査によると全国の16~65歳の男女2000人を対象に「手洗いの方法について、学んだことはありますか」という質問をしたときに約半分の45%が学んだことはないと答えました。当たり前であると思われた手洗いですが、半数近い人が正しい手洗いを出来ていなかったことになります。しかし今回のコロナウイルスの流行で幸いにも脚光を浴びる形となりました。
https://www.youtube.com/watch?v=Eph4Jmz244A
出典:厚生労働省
また手洗いの時間・回数による効果について下の図のデータが出てます。1回のしっかりした手洗いよりも2回の手洗いのほうが効果が高いというのが実証されています。なかなか2回手を洗うという方は いないかと思いますが、コロナウイルスが猛威を奮っている中ではより効果的な手洗いと言えるでしょう。
一方、うがいについてですが物理的な洗浄効果・繊毛運動のような防衛機能を高める取った効果があります。方法としてはまず口に水を含み、口を閉じた状態でうがいを行い、口の中にいる細菌を流します。その後、口に水を含んだ状態で上を向いて「あー」と発声しながらうがいを2回行います。
うがいをあまり多くやってしまうと逆に喉に悪影響を与えてしまいますので注意が必要です。なにでうがいするかについては様々な方法が紹介されています。うがい薬・緑茶・紅茶など水以外に推奨されているものがあります。しかし、3つとも良い意見と悪い意見があり、何を信じていいのかと悩まれるかもしれません。うがい自体にも明確なエビデンスが無いため慎重に情報を見極める必要があります。
3 免疫力を高める
菌を防ぐというのも大切ですが、体内で菌に打ち勝つ身体を作るといったことも必要な要素です。人間が元来持っている抵抗力として「免疫力」が挙げられます。免疫力とは菌などから身体を守るシステムで菌に反応する抗体を作ることによって菌の効果をなくしてくれます。
免疫をあげるために生活において必要な要素が5つあります。
- ストレスを溜めない
- 適度な運動
- 質の良い睡眠
- 栄養バランスの良い食事
- 身体を温める
1 ストレスを溜めない
コロナウイルスの蔓延により、今までの生活様式と変わりストレスいつも以上に感じてないでしょうか。ストレスが強くなると自律神経に影響を及ぼします。さらには脳がストレスに反応し、ステロイドホルモン・神経伝達物質が白血球の働きを弱くしてしまいます。
ストレスを緩和するために必要なのは副交感神経をあげることが大事と言われています。一番簡単に副交感神経をあげるには「深呼吸」が有効です。深呼吸をするときに心がけたいのは雑念を取り払い、呼吸に集中することです。
さらに「笑う」「泣く」といった感情表現をすることも良いとされています。笑うことによってナチュラルキラー細胞が活性化され、泣くことによってエンドルフィンが分泌されます。ナチュラルキラー細胞、エンドルフィンの作用によって副交感神経をあげることができます。
2 適度な運動
適度な運動をすることによって免疫を高めることが出来ます。運動によってナチュラルキラー細胞が増えます。また運動によって筋肉量を増加させることにより代謝を高めて体温が上がりやすくすることも免疫を高める効果になります。適度な運動の目安はウォーキングでは8000歩、ジョギングでは30分程度と言われています。また筋トレやストレッチも有効でスクワットは自宅でも気軽に取り組むことが出来る運動です。
逆に過度な運動をしてしまうと免疫力が下がってしまいます。運動によって起こる身体のダメージや苦しいと言った精神的疲労も影響すると言われています。例えばフルマラソンのような高負荷な運動を行ったあとに風邪を引きやすい確立が通常の2倍~6倍に高まります。過度な筋トレにおいても筋肉には血が流れますが内蔵や粘膜に対しては血の流れが少なくなってしまいます。
3 質の良い睡眠
睡眠については時間と質を併せて考えるのが良いようです。平均睡眠時間が7時間未満と8時間以上では風邪を引く確率が3倍も変わってくるというデータがあります。日本人の平均睡眠時間は7時間22分という調査が出ていますが、最近では日本人の4割が6時間未満という報告もあがっているほどです。なかなか睡眠時間が確保できないのであれば、質を求めるのがいいのではないでしょうか。
睡眠の質については夜中に目が冷めてしまう、不規則な睡眠時間、朝になってもすぐに起きれないなどの事象が質の悪い睡眠に当てはまります。質の悪い睡眠を繰り返してしまっているのであれば寝る前の生活習慣について見直さなければいけません。睡眠の質を高めるには「食事を3時間前に済ます」「寝る前にスマホやパソコンを見ない」「ぬるめの湯船に浸かる」など様々ありますので心がけてみてはいかがでしょうか。
4 栄養バランスの良い食事
最近では免疫力に大切な一つの要素として腸が注目されています。身体全体で7割の免疫細胞が集まっていると言われています。腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌(中立な菌)が存在し、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌が7割を保てるとよいバランスだと言われ、腸内環境を整える・腸に負担をかけないことが重要になっています。さらに免疫細胞の栄養となるバランスのいい食事が必要になります。「発酵食品」「食物繊維」「タンパク質」「ビタミン・ミネラル」この4つのの要素をバランス良く3食食べれるように心がけることで免疫力が高まってきます。
5 身体を温める
身体を冷やしてしまうと白血球の活動が弱まってしまい、菌を処理するの能力が悪くなります。体温が1℃下がるだけでも免疫力が3割減になってしまうとも言われています。免疫がちゃんと活動をするには36.5℃~37.1℃と言われています。体温を高めるの方法はいくつかあります。
入浴は身体を暖めるのにとても有効です。シャワーのみだと汚れを落とすだけになってしまいますので湯船に浸かることが大切です。湯船に浸かるときは40℃前後のお湯が理想です。半身浴は一見、良さそうですが体温をあげることについては不向きです。また熱すぎる温度になってしまうと体力の消耗にもなりますので注意が必要です。
また暖かいものを体内にいれることも有効です。白湯を飲むことによって内臓が温まり、基礎代謝がよくなります。他にも生姜湯、紅茶、ココアなどもおすすめです。
4 こまめに消毒をする
アルコール消毒は感染対策において殺菌効果が期待できるため有効な手段となります。手洗いを行うことで手指については十分と言われていますが、手洗いが直ぐにできない場面ではアルコール消毒をするという対策が考えられます。また、手指に限らず普段触れるまわりのものに消毒することも大切になります。消毒方法はアルコールに限りませんがモノ、手指それぞれに対応したものの一覧が下の図になります。
※出典:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html)
上の図を見ても、アルコール消毒は手指、モノに対しての消毒が有効であるため持ち歩いていつでも消毒できるように準備しておくことが大切でしょう。
5 3密を避ける
感染症対策において【3密を避ける】という対策が重要になります。コロナウイルスが流行してから3密という言葉が生まれました。3密とは密閉・密集・密接という意味になります。
密閉空間では広さに関係なく、大切なのは換気になってきます。窓のある施設においては1時間に2回以上、風の流れができるよう、2方向の窓を、1回数分程度、全開にする必要があります。また窓がない部屋がある建物の施設においては機械換気を準備するように法令で定められているため、換気設備でのある程度換気されるため怖がる必要はありませんが油断は禁物です。一方勘違いされやすいのは家庭用エアコンです。家庭用のエアコンは空気を循環させるだけの機能しかなく、換気を行っていません。また、冬場の寒い時期であっても必ず換気を行うようにし、できる限り空気の入れ替えをして綺麗な空間を保っていくことが重要になるでしょう。
密集しないように心がけるにはソーシャルディスタンスを意識することが大切です。ソーシャルディスタンスで定義している距離は2メートル以上と言われています。日常生活においてスーパーのレジなど列に並んでいるときまたはエレベーターや電車の車内など密集してしまう場面が多く存在します。人混みを避けるには混み合った時間帯の外出をさける。企業においてはテレワークを推し進めていく必要があります。
密接した時の会話や発言は避ける必要があります。WHOの報告では5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛沫が飛ぶとされています。エレベーターや電車などでは極力会話を避けるという対策が考えられますが会食などの場面になると食事のためにマスクを外した状態になってしまいます。食事を以外はマスクをするなどの飛沫を飛ばさない対策が必要になります。
出典:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html
6 抗菌製品、抗ウイルス製品を身の回りに使用することで菌、ウイルスの繁殖を抑制する
コロナウイルスの流行に伴って、アルコール消毒などの「除菌」「殺菌」を行うもの流行しましたが「抗菌」「抗ウイルス」が施されている製品も注目を浴びています。抗菌とは菌を長時間増やさないことを指し、菌を死滅させることは出来ません。もともと抗菌素材についてはまな板や便座など日常生活にも存在していたがコロナウイルスの流行で様々な抗菌製品が誕生しました。
最近ではマスクに抗菌、抗ウイルス加工がされているものも増えてきています。口元からのウイルスの飛沫を防ぐマスクを一日つけていると菌がたくさんつくマスクに抗菌加工がされていれば安心です。もちろん使い捨てが理想ですが製品として100回洗えるマスクなども存在します。
次に注目すべきはマスクの着脱する際の対処の方法です。食事の際、マスクの置き場に困ったことはないでしょうか。人によっては、ポケットにしまう、カバンに入れる、テーブルにそのまま置くなど様々です。しかし、菌が付着したマスクを扱うにはどれも感染対策の観点から良くありません。そこで使い捨てのマスクケースが感染対策に適しているのではないでしょうか。
マスクを外したときにマスクケースの中にいれることにより、きれいに扱えるし、なくすこともありません。もし忘れたとしても従業員が扱うのに使用したマスクを扱うのは抵抗がありますが使い捨てのマスクケースなら直接マスクに触れずに破棄することができます。
さらに抗菌・抗ウイルス加工がされている商品であれば菌の増殖を抑えることが可能になります。最近では飲食店や宿泊施設などでマスクケースを配っている場面が増えてきました。日常生活においても抗菌・抗ウイルス商品が増えていくのではないでしょうか。
7 終わりに
最近は世界中で抗ウイルス薬の開発が進んでおり、日本でも英国と強力して日々研究が行われています。新型コロナウィルスが騒がれ始めた初期の頃には、日本が開発したアビガンを投薬することで症状を和らげることができると騒がれていましたが、WHOはこれを効果なしと声明するなど事態は混沌としている状態です。
その他にも、中国やロシア・アメリカ・ドイツなどの医療大国が続々と抗ウイルス薬の研究を開始しているので、後2年もすれば効き目の高い薬が開発されることは間違いありません。
抗ウイルス薬が世に出回るまでにはある程度の時間が必要になるので、それまでは個人個人がしっかりと対策を行っていき、絶対に罹らないように過ごす努力をしていくことが求められます。
ちょっとした心構え一つで予防していけるのでぜひ実践してみてください。