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水なしが作った安心|バタフライマークに込めた願い

水なし印刷で人々に安心を与える

世界中を脅かしている新型コロナウイルス

印刷業界が模索し、導き出した答えのひとつは印刷物を抗菌にし

人々の生活に安心を与えることだった

使い捨て抗菌マスクケース抗菌名刺などに始まり、

徐々に人々の生活に安心を与える印刷物が増えている

しかし、抗菌が着目されるもっと前から人々に安心を与える印刷物というものはあった

1980年頃、世の中が環境問題に本格的に着手し始め、

印刷業界も環境に配慮した印刷を始めなければ行けなかった

あらゆる環境対策の中でも画期的だったのが

「水なし印刷」だった

 

水なし印刷とは

従来のオフセット印刷は水と油が反発し合う性質を利用しており、水は「湿し水」と呼ばれるもの油は「インキ」

湿し水とはエッチ液、IPAと呼ばれる有害物質の入ったアルコールをつかっており、

水質汚濁防止法で定められるBOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)

の基準値を超えており、産業廃棄物として処理する必要がある

 

 

 

 

 

一方水なし印刷は湿し水は使わず、代わりに版面のシリコン層がインキを弾くことができる

洗浄時にわずかな量を排出するほか、廃液は一切ない。

刷版工程においても水なし印刷では

有害な廃液が一切出ない水現像方式なので、下水に流すことができる

 

 

 

 

 

SDGsの観点にも沿っている

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月に、

国連サミットで「ともに取り組むべき国際社会の普遍的な目標」として全会一致で採択された。

SDGsは、2030年に向けた持続可能な開発に関する地球規模の優先課題を

17のゴール(目標)として掲げており

そのうち、水なし印刷は8の項目のゴールを掲げている

 

ゴール3「すべてに人に健康と福祉」

→ 有害化学物質の排出の抑制(ターゲット:3.9)

ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」

→ 汚染の減少、有害な化学物質や物質の投棄削減と最小限の排出、未処理の下水の割合半減、

リサイクルと安全な再利用を世界全体で大幅に増加させ、水質を改善する。

(ターゲット:6.3)

ゴール8「働きがいも経済成長も」

→ 水なし印刷で働き方改革・職場改善(ターゲット:8.5&8.8)

ゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」

→ 環境に配慮した技術・産業の拡大(ターゲット:9.4)

ゴール12「つくる責任、つかう責任」

→ 製品のライフサイクルを通じて化学物質やすべての廃棄物の環境に配慮した管理を達成し、

大気、水、土壌への排出を大幅に削減すことにより、
ヒトの健康や環境への悪影響を最小限に留める(ターゲット:12.4)

→ 廃棄物の発生防止、削減、リサイクル、およびリユースにより廃棄物の排出量を大幅に削減する

(ターゲット:12.5)

ゴール13「気候変動に具体的な対策を」

→ 気候変動に起因する危険や自然災害に対するレジリエンス、および適応力を強化する

(ターゲット:13.1)

→ 気候変動の緩和、適応、影響軽減、および早期警告に関する教育、啓発、

人的能力及び制度機能を改善する(ターゲット:13.3)

ゴール14「海の豊かさを守ろう」

→ 陸上活動による海洋堆積物や富栄養化をはじめ、あらゆる種類の海洋汚染を防止しする

(ターゲット14.1)

ゴール15「陸の豊かさも守ろう」

→ 国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地、および乾燥地をはじめとする陸域生態系と

内陸淡水生態系およびそれらのサービスの保全、回復、および持続可能な利用を確保する。

(ターゲット15.1)

→ あらゆる種類の森林の持続可能な管理の実施を促進し、森林破壊を阻止し、劣化した森林を回復し、

世界全体で植林と森林再生を大幅に増加させる。(ターゲット15.2)

 

バタフライマーク その理由とは

1993年、アメリカで非営利団体のWPA

(Waterless Printing Association=水なし印刷協会)が結成された

同協会によって、「水なし印刷認証マーク(バタフライマーク)」が開発され

環境問題に熱心に取り組みつつクオリティの高い印刷物を製造している

「水なし印刷実施会社」とその印刷物に対して支給されてる

バタフライロゴの蝶は、オオカバマダラ(Monarch Buttefly)といい

世代を超えて渡りをすることで有名であり

カナダの国虫、米国のミネソタ州他数州の州蝶にもなっている

この蝶は北米の東側半分に分布し、夏の間はカナダ中部付近で生息しているが

秋になると北米から 3800kmも離れたメキシコまで南下して集団で冬を越し

春になると分散し、世代を繰り返しながら北上するという生活をしている

しかしながら、環境のリトマス試験紙とまでいわれるほど環境に非常に敏感なため

公害や開発の影響でエサとなる樹木が無くなり、その生息域も年々少なくなっている

オオカバマダラ生息域が広がっていくということが

環境の改善につながっているということ

このバタフライマークが世の中の印刷物に溢れ

羽ばたいていってほしいという願いが込められているのだ

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